[EP]UPCの損害賠償の範囲:UPCの発効前の侵害まで含む
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관리자
2025-04-24
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UPCの発効(2023年6月1日)前に発生した特許侵害に対し、損害賠償命令を決定した最近の判決(Hurom v NUC
Electronics)についてご紹介します。今回の案件も、韓国国内企業に関わる事例として、原告はジューサーメーカーの特許権者であるヒューロム(Hurom)であり(EP 2028981 B1)、被告も韓国国内メーカーとして、キッチン家電の輸出を手掛けるNUC電子です。UPCでは、既に多くの韓国企業が特許訴訟に係わっていることが分かりました。 UPCの発効前に発生した侵害に対する損害賠償の判決ですが、実は今回が初めてではありません。2024年11月、Edwards v Meril事件において、ミュンヘン地域部はUPCの発効前の侵害に対しても、損害賠償を認めました。それにより、特許権者は欧州各国で発生した関連の侵害行為を一つのUPC訴訟で禁じ、全ての財政上の損害に対し、まとめて賠償を受けることができます。当該判決は、侵害判断に如何なる実体法が適用されるのかを扱ってはいませんでした。 今回ご紹介する事件の第1審であるマンハイム地域部は、より明確な基準を提示しています。 a)UPCA発効(2023年6月1日)後に発生した侵害には、UPCA実体法が適用 b)UPCA発効前に発生した侵害には、当該国の実体法が適用 c)UPCA発効前に始まり、発効後も継続する侵害には、UPCA実体法が適用 このような基準が適用されると、裁判所は複数の国の実体法を検討する必要があるため、判断過程が複雑化しかねません。例えば、過去に発生した侵害が均等侵害である場合、各欧州国別に多少異なる均等論の基準を適用する必要があります。なお、複数の国で分散して行われて完成する侵害に対しては、UPCでは侵害が認められる可能性がありますが、各国の個別管轄のみを考慮する状況ではそうはいかないことがあります。 今回の事件では、上記のようなa)~c)の基準を提示したにもかかわらず、実際にはそれぞれの国の実体法を個別に適用することはありませんでした。2023年6月1日の前に、別のUPC国で文言上の侵害ではない状況がなかったという理由からです。もし、均等論や間接侵害などの複雑な侵害判断の適用が必要であったなら、状況はずっと複雑だったと推測されます。 一方、被告側の立場では、無効反訴を提起しなかったことは残念としか言いようがありません。無効反訴を試みたなら、訴訟費用がかさむとしても、最小限の審判判断の請求範囲の解釈を狭める試みとして活用されることもできたと思います。それは、侵害と無効を同時に扱うUPCのメリットを活用するものとして、最小限の文言侵害を逃れる余地を作ったのかもしれません。予測するに、特許の有効性攻撃に有効な先行文献を見つけることができなかったのではないかと思います。 結果的に、原告は全ての侵害主張が認められ、侵害禁止命令、損害賠償、被告の既存製品の破棄命令、原告の要請する情報の提供など、様々な救済手段を確保しました。一方、実際の損害賠償額は本案の判決後の別途の訴訟手続きによって決まります。消滅時効や特許要録前の補償金請求権などが争点になると考えられます。 示唆するところをまとめると、特許権者はUPC発効前の損害までの賠償を受けることができるため、UPC訴訟の活用に対する強い動機を抱くことになります。一方で、被告の立場では、無効反訴などの積極的な対応を通じて、請求範囲の解釈を縮小させる戦略を考慮することが重要であると思います。 出処:http://kpaanews.or.kr/news/ |
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